鼠径ヘルニア(そけいヘルニア)の術後合併症について
手術後の流れ
日帰り手術・日帰り検査は、術後1~3時間後に退院して頂くのが標準的スケジュールです。手術当日の車の運転・自転車の運転は控えてください。退院直後から食事は通常通りで、デスクワークは可能です。当日は、シャワー浴にしてください。翌日から入浴可能です。
帰宅後の流れ
帰宅後、何か悩み事があればなんでも申しでてください。必要と判断されたら、翌日も診察いたします。手術方法によって、スケジュールは異なります。スケジュールについては、手術や検査が終わった時点で追って説明いたします。通常、約1-2週間後に来院いただき診察します。ほとんどの手術や検査ではこの診察で問題がなければ、日常生活の制限が解除されます。
術後の話
手術や検査のメリットばかりお話してまいりましたが、今回はデメリットも知ってください。十分に納得していただくことをお勧めします。手術終わった後に起こる、軽症から重症までの出来事や、後遺症すべてまとめて、『術後合併症』と呼びます。手術が終わったあとの状況によって、病院にいる時間が長くなることもあります。場合によっては、緊急で診察・入院することもあります。手術方法によって、術後合併症の起こる頻度が違います。
術後合併症
そけいヘルニアに対する手術で予想される合併症です。
創部周囲に皮下出血を認めることがありますが、通常は1~2週間で自然に消退します。
手術創内部に血液が溜まって腫れることがあります。自然に腫れは消退します。
頻度は少ないですが創部が感染することがあります。軽症例では創部の浅い部分の感染のみで、洗浄処置により軽快します。
再発とは手術をした側と同側の発症を意味しています(右側を手術した後に再度右側が出てきた)。再発ヘルニアに対しては手術の適応となります。手術した側と対側のヘルニアが出現した場合は再発とは呼びません(対側発症:20%といわれております)
術後約5~7 日頃から傷の下に液の溜まりが生じる場合があります。自然に消退します。比較的よくみられる合併症であます。
次回は、全身麻酔などに関連した術後合併症について説明します。