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痔の治療について

肛門には、便やガスなどのながれてくる排泄物が漏れるのを防ぐ機能があります。
機能の93%は肛門括約筋と呼ばれる筋肉が漏れを防止しています。残り7%は、「肛門クッション」と呼ばれる弾力に富んだ組織が漏れを防ぎます。
静脈と呼ばれる血管によって構成されており、多くの血液が流れていて、何らかの原因で負担がかかると、うっ血するなどして腫れてくることがあります。
これが「いぼ痔(じ)」です。
肛門の奥側(歯状線より上)にできたいぼ痔を「内痔核」、肛門の出口側(歯状線より下)にできたいぼ痔を「外痔核」といいます。
一般的に内痔核の方が多く、「いぼ痔」というときは、内痔核を指すことが多いです。
いぼ痔(内痔核)の症状、歯状線より上の直腸粘膜には痛みを感じる神経がないため、痛みはありません。いぼが大きくなって肛門から出てくると、鈍痛が起こることが多くなります。また、直腸粘膜は非常に軟らかいので、排便時に便との摩擦によって傷つき、出血しやすいのも内痔核の特徴です。出血は少量のこともあれば、便器いっぱいに真っ赤な鮮血がつくほど多量のこともあります。ほかには、かゆみを伴ったり、透明な粘液で下着を汚したりすることもあります。

いぼ痔(内痔核)の手術で、現在最も広く行われているのが「結さつ切除術」という手術法です。いぼ痔に通じる血管を糸で縛って血流を止め、メスでいぼを切り取ります。手術よりも簡便に行うことが出来る「硬化療法」は、いぼ痔の根元に特殊な薬(硬化剤)を注射して、いぼを硬く小さくする治療法です。いぼを固めることで、出血や肛門から出てくるのを防ぎます。当院では、日帰りで行います。

基本的に手術の翌日から入浴を再開するなど、ふだんどおりの生活を送ることが可能です。ただし、術後2週間程度は、「激しい運動」や「自転車」、「旅行」、「長時間座りっぱなし」、「刺激物」、「アルコール」は避けるようにしましょう。

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