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線維筋痛症とは?
~目に見えない痛みと闘う人々のために~
線維筋痛症(Fibromyalgia)は、全身の慢性的な痛みや倦怠感、不眠、抑うつなどを伴う疾患です。
見た目にはわかりにくく、血液検査や画像検査で異常が出にくいため、周囲からの理解を得にくいのが特徴です。
主な症状と特徴
- 広範囲の筋肉や関節の痛み:3ヶ月以上続く慢性的な疼痛
- 圧痛点の存在:身体の特定の部位を押すと強い痛みを感じる
- 倦怠感・疲労感:十分な睡眠でも疲れが取れない
- 睡眠障害・不眠:入眠困難や中途覚醒など
- 集中力・記憶力の低下:いわゆる「ブレインフォグ」
- 自律神経症状:めまい、動悸、過敏性腸症候群など
原因と考えられているメカニズム
原因は完全には解明されていませんが、脳や脊髄などの「中枢神経系」の痛みの感じ方(痛覚過敏)に異常が生じていると考えられています。
特に、痛みの信号を増幅する“アクセル”が強くなり、痛みを抑える“ブレーキ”が効きにくくなる状態(中枢性感作)が関係しているとされます。
診断の難しさと社会的な誤解
線維筋痛症は検査で異常が見つかりにくいため、「気のせい」「怠けている」と誤解されやすい病気です。
2025年に放送されたTBSドラマ『19番目のカルテ』では、検査で異常が出ないにもかかわらず強い痛みに苦しむ女性が登場し、この病気の実態が広く描かれました。
主人公の医師が「痛みはあなたのせいじゃない」と語るシーンは、多くの患者に勇気を与えました。
治療法について
線維筋痛症は完治が難しいとされますが、症状をコントロールする治療法が確立されています。
- 薬物療法:プレガバリン、デュロキセチン、抗うつ薬など
- 認知行動療法:ストレスや不安との向き合い方を学ぶ
- 運動療法:ストレッチ、軽い有酸素運動
- 補助療法:鍼灸、温熱療法、ペインクリニックでの対応
このような方はご相談ください
- 検査では異常がないのに痛みが長期間続いている
- 朝起きるのがつらい、日常生活が困難になってきた
- 複数の病院を受診しても改善しない
- 「気のせい」と言われて苦しんでいる
痛みとともに生きるのではなく、少しでも軽減する道を一緒に探しましょう。