目次
筋肉の痛みとトリガーポイントの関係
筋肉にできる痛みの正体
トリガーポイントとは、筋肉の中にできる硬いしこりのような部分のことです。この部分を押すと強い痛みを感じ、時には離れた場所にも痛みが響くことがあります。デスクワークや重労働、スポーツなどで同じ筋肉を繰り返し使うことで発生しやすくなります。
日常生活では「肩がガチガチに固まる」「首筋がつっぱる」といった症状として現れることが多く、マッサージをしてもなかなか改善しない慢性的な痛みの原因となります。
トリガーポイントが引き起こす症状
トリガーポイントによる痛みは、ただの筋肉痛とは異なる特徴があります。押した時に激しい痛みを感じるだけでなく、その痛みが他の部位に広がることがあります。例えば、肩のトリガーポイントが頭痛を引き起こしたり、腰のトリガーポイントが足の痛みやしびれを生じさせたりすることがあります。
ペインクリニックで行うトリガーポイント注射
トリガーポイント注射の仕組み
トリガーポイント注射は、痛みの原因となっている筋肉のしこり部分に直接、局所麻酔薬を注射する治療法です。この注射により、硬くなった筋肉をほぐし、血流を改善することで痛みの軽減を図ります。
注射に使用する薬剤は主に局所麻酔薬で、体への負担が少なく、副作用のリスクも低い治療法とされています。注射の針は細いものを使用するため、処置時間も短く済みます。
治療の流れと効果
医師がまず触診により、痛みの原因となっているトリガーポイントを特定します。その後、アルコールで皮膚を消毒してから、細い針を使って的確な位置に注射を行います。処置自体は数分程度で終了します。
効果の現れ方には個人差がありますが、多くの場合、注射直後から痛みの軽減を実感できます。筋肉の緊張がほぐれることで、血流が改善し、自然治癒力も高まります。
適切な治療回数と治療間隔
治療回数の目安
トリガーポイント注射の効果的な回数は、症状の程度や患者さんの体質によって異なります。軽度の場合は1〜3回程度で改善することもありますが、慢性的な痛みの場合は5〜10回程度の治療が必要になることもあります。
重要なのは、一度の注射で完治を期待するのではなく、段階的に改善していくことを理解することです。医師と相談しながら、適切な治療計画を立てることが大切です。
治療間隔の考え方
一般的には、週1〜2回程度の頻度で治療を行います。注射の効果が持続している間に次の治療を行うことで、より効果的な改善が期待できます。症状が改善してくれば、治療間隔を延ばしていくことも可能です。
ただし、あまり短期間に多くの注射を行うと、かえって筋肉に負担をかける可能性があるため、医師の判断に従って適切な間隔を保つことが重要です。
日常生活でできる痛み対策
セルフケアの重要性
トリガーポイント注射と併せて、日常生活での痛み対策も重要です。デスクワークの方は、30分に一度は立ち上がって軽くストレッチを行うことをお勧めします。また、正しい姿勢を心がけ、同じ姿勢を長時間続けないよう注意しましょう。
入浴時には、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで筋肉の緊張をほぐすことができます。睡眠時の枕の高さや寝具の硬さも、筋肉の負担に影響するため見直してみることが大切です。
運動療法との組み合わせ
軽い有酸素運動やストレッチを取り入れることで、トリガーポイント注射の効果をより長持ちさせることができます。ウォーキングや水泳などの全身運動は、血流を改善し、筋肉の柔軟性を保つのに効果的です。
ただし、痛みが強い時期は無理をせず、医師と相談しながら適切な運動量を決めることが重要です。
まとめ
トリガーポイント注射は、筋肉の痛みに対して効果が期待できる治療法です。適切な回数と間隔で治療を受けることで、慢性的な痛みの改善が見込めます。症状によって治療計画は異なるため、まずは専門医にご相談いただき、患者さん一人ひとりに合った治療方針を決めることが大切です。
痛みが日常生活に支障をきたしている場合は、我慢せずに早めの受診をお勧めします。当院では、患者さんの症状に応じた最適な治療プランをご提案いたします。