ありがたいことに日本ヘルニア学会より奨学金を賜り、2023年9月21から23日、マレーシア、ペナン島で行われましたASIA PACIFIC HERNIA SOCIETY 2023への出席しました。
大会のテーマは”Doing Hernia Perfectly Together” 完璧な手術が一体何なのか、私が日々で自問自答するテーマでありますので興味深い内容でした。先輩方から以前の大会運営について疑問があると聞いていたので何が起きてもよいように構えて登録しました。実際に私の所持しているクレジットカードが使えないトラブルがありました。海外送金へ切り替えたのですが送金の確認に遅れがありました。しかし、事務局から公式な連絡のメールが来て、銀行への確認で時間かかったようでちゃんと対応していただき問題はありませんでした。会場でネームカードやコングレスバックを配っていましたが、QRコードによる電子化されており、完璧な対応でした。他、ホームページも分かりやすく大会運営に全くストレスを感じませんでした。
Pre-congressは、今村先生を中心とした侍外科医たちがドライラボで腹膜縫合のレクチャーを行っておりました。マレーシアの先生方から“SAMURAI”は大変好評でした。今後も継続を望まれます。今回、私はe-POSTERでの演題登録をさせていただきました。3本のPCで開催されており、食事や飲み物も提供されて、気楽に議論する場という雰囲気でした。気楽すぎて、少し緊張感が足りないポスターセッションで他の演者がどのような報告をしているのか一目で見ることができないことが欠点かと思われます。次回はOralで発表した方がよいかなと思いました。
世界の次世代手術産業市場は、2030年には356.9Million USD(5,175億円)へ膨れ上がると試算されております。APHS2025開催インドのヘルニア学会長が発表していたヘルニア手術の歴史から手術の今後の展開について、Modular Robotic Platforms “Bringing the Benefits of Robotic Surgery to the Masses” という題目でレクチャーしていただきました。ダビンチシステムと対抗していかに経済的に、運搬しやすい手術システムを構築するかということを考察しておりました。全員懇親会では、大爆音でステージやDJが大いに盛り上げて、マレーシア料理を堪能しました。なかでも、炒粿条チャークェイテオという米粉麺の焼きそばが絶品でした。その後は、会場の目の前にある屋台で食事しました。なんとフィリピンとタイのヘルニア学会長が若手と飲み会しており、合流させていただきました。12時くらいまで食事して解散しました。特にトラブルなく、マレーシアの治安の良さを実感しました。
完璧な手術とはいったい何なのか、日々勉強して、日々練習して、新しい知見を取り入れることで得られる境地ではないかと思いました。アジアの先生方も日々勉強し、練習しており、完璧に向かって精進していることが分かりました。私も見習わないとなりません。APHSは次回2024年10月にシンガポールで行われ、2年後はインドのニューデリー開催に決定しております。そして、3年後の学会開催が日本の大阪に決まりました。
今回出会った外科医たちとの再会を楽しみの一つにして、今後の診療により一層力を入れていこうと、気持ち新たにすることができました。APHSへの参加を後押ししてくださり、ご支援を賜りました日本ヘルニア学会へ重ねて御礼申し上げます。