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脱腸って治療はどうすればよいの? 常陽リビング10月29日号

常陽リビング 10月29日号

Q; 最近、母がかかりつけの医師から鼠径ヘルニアと診断されました。治療方法や病院選びのコツはありますか。

A; 下腹部や足の付け根、鼠径部から臓器が腹の外に出る病気を鼠径ヘルニアと呼びます。 鼠径ヘルニアは弱った体の構造が原因で、内部の臓器が弱った場所にできた穴から発生すると言われております。この病気に対して、年間14万人が手術を受けております。
 
 鼠径ヘルニアを治すには、手術が唯一の治療方法です。手術のコツは、再発しないこと・後遺症をいかに少なくできるかということです。最近では在院時間が短くて、キズが小さな腹腔鏡手術が増えております。腹腔鏡手術のメリットは、体への負担が少ないので、日帰り手術も可能です。一方で腹腔鏡手術は全身麻酔が必要となり、高度な治療技術を必要とします。
 
 病院選びのコツですが、3点あります。
☆1つ目は手術の実績です。治療実績を確認したほうが良いでしょう。開腹手術や腹腔鏡手術などの実績と同時に、各術式のメリットとデメリットを丁寧に解説してくれる医療機関が望まれます。
☆2つ目は日本内視鏡外科学会技術認定医の在籍を確認します。腹腔鏡手術を望む場合は、技術の目安として学会が認定している消化器外科領域の技術認定医の在籍が挙げられます。
☆3つ目は術後のフォローアップ体制もチェックしてください。手術後も長期的に指導や診療してくれている医療機関が望ましいと私は考えます。
気になる方、ご家族で気にしていらっしゃる方がいらっしゃる場合は、医療機関への受診をお勧めします。現在お悩みの症状を一刻も早く治し、元の生活に戻ることができることを願っております。

 太田 勝也 医師
ヘルニアセンター長

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