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常陽リビング 11月26日号 Q&A

腹腔鏡下手術ってメリットはありますか。

Q 医師から鼠径ヘルニアと診断され、腹腔鏡下手術が必要であると説明を受けました。腹腔鏡下手術のメリットは何ですか?

A 鼠径ヘルニアとは、下っ腹や足の付け根付近の鼠径部で起こるもので「脱腸」とも呼ばれています。手術が唯一の治療法になりますが、腹腔鏡下手術による患者さんのメリットは傷口が小さく、術後の痛みが少ないため日常生活に早く復帰できることです。腹腔鏡下手術は、おなかの中から反対側のヘルニアの有無を確認できるため、両側鼠径ヘルニアは、同じ傷口から一度に手術が可能です。術後のデータを見てみると再発率は0・5%で鼠径ヘルニアを治療するために優れた方法です。

しかし、腹腔鏡下手術にも欠点はあります。腹腔鏡下手術は、菜箸のように長い40㎝ある鉗子を使ってミリ単位の手術を行うため、高度な技術と経験を要します。患者さんには全身麻酔で完全に眠ってもらうため、全身麻酔中は人工呼吸をしないとなりません。麻酔を行い、手術までの準備と麻酔から醒めてもらうために30分程度の時間がかかります。近年、麻酔で使用する薬剤や手術は進歩しておりますが、麻酔特有の合併症やアレルギーなどの副作用が起きることも稀にあります。

腹腔鏡下手術は病気の治療を目的に開発された優れた方法です。気になる方、ご家族で気にしていらっしゃる場合は、医療機関への受診をお勧めします。

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